アルプスの何処に行っても蚊に刺されることもなかったし、恐ろしい動物に出会うこともなかった。草花は色んな花が混じりあって咲き競い、ワー、キレイーと歓声をあげるすぐそばで、牛やヤギがカランコロンとベルを鳴らして平気で花をムシャムシャ食べる。前にも、横にも、後ろにも氷河が見える、山がそびえる、雲が動き、光がきらめく。
食べてる最中、ハエが飛び交い、牛のウンコのにおいがほのかに漂う。これさえ気にしなければ、そこは、やはり想像していた以上の美しい別世界でした。
行く前に準備したことや、行ってから分かったことや、知っていれば役に立つだろうと思うことを書いてみました。
次の年に、再びアルプスを訪れることができ、オーストリアにも足をのばしましたので、一部追記と部分修正をしました。
@旅行ガイド本
旅行ガイド本のなかでは「地球の歩き方、スイス編」が良かったと思う。フランス・シャモニーも載っているし、ハイキングコースも主なものは掲載されていて、スイス全体を理解するのに役立ちました。ドロミテが詳しく載っている旅行ガイド本は見つかりませんでした。また、オーストリアの旅行ガイド本は沢山ありますが、ハイキングのトレイルを載せているのは殆ど無いようです。
A観光局から資料を取り寄せる
・スイスの場合、スイス政府観光局のホームページから各種パンフレットの送付を申し込むことができます。提供できるパンフレットが記載されているので、要求する資料に印をつけ送ります。約10日前後で着きます。送料は400円の郵便着払い。
・オーストリアの場合、オーストリア政府観光局へ390円切手を同封して資料送付を依頼すると、約10日前後で送ってくれます。請求方法や送付資料の説明が詳しく載っています
オーストリア政府観光局: 観光資料請求(日本語)
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送ってもらった中のチロルの地図付き観光ガイドのパンフレット
予備知識を得るのに特に役にたった。 |
・イタリア政府観光局は、確かインターネットではなく、希望する資料送付を葉書で要求し、着払いの郵送で送ってもらったと思います。ドロミテ地域の地図のコピーやコルティナの日本語パンフレットなどを送ってもらいました。
イタリア政府観光局日本支局(ENIT) 〒107 東京都港区南青山2−7−14
Tel (03) 3478-2051
Bインターネット上のハイキング情報を集める
スイスやシャモニーについてはその町のオフィシャルホームページを始め、個人のハイキング体験記など豊富に入手できます。
ドロミテについてはオフィシャル、個人とも情報はあまり多くありませんが、コルティナ近辺のハイキング・コースはインターネットのオフィシャルサイトでほぼ全てを入手できます。
Coltina.Dolomiti.Org;
当ホームページの各コースの紹介ページに、参考になるHPを載せています。また、リンク集も参考にしてください。
C私が使ったハイキング・ガイド本
・ヨーロッパアルプス・ハイキングガイド 山と渓谷社 小川清美著
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これらの本は、山歩きの先輩の湊歳弘氏からお借りしました。
著者が写真家だけあって美しい写真が沢山はめ込まれてあり、自分がその場を歩く姿を想像しながら読める楽しいガイド本です。 |
・Walking Switzerland(英) The Mountaineers Books社
Marcia(著作)and Philip(写真)Lieberman
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一度行くヨーロッパアルプスに、英文のハイキングガイドの本でもあるまいとは思ったが、どんなことが書いてあるのか知りたくて、スイスの一般ハイキングコースの解説本を通信販売で購入した。
スイスのハイキングの基礎から始まり、日帰りハイキングから小屋どまりのハイキングと多岐に亘り掲載されている。ハイキングの歩く距離、標準時間、標高差、最高標高、難易度などがコース毎に記入されていている。山小屋を経由して歩く宿泊ハイキングが多く書かれており、タフな山歩きをする人も多くの情報が得られると思う。 |
この本で、新しいハイキングコースの情報が更に加わり、そこも行きたい、あそこも歩きたいとどんどん増えて、収拾をつけるのに苦労したという罪作りの本でもありました。 |
・オーストリア・アルプスハイキング案内 山と渓谷社、小口和利著
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オーストリアの日本語のハイキング案内書は、あまり無いようだ。探したがこの本しか見つからなかった。
オーストリアのハイキングコースが満遍なく載っているが、写真中心の本なので、ハイキングコースの数はさほど多くない。写真を見ながら楽しめる本。
サイズが大きく持ち運びには不便なので、オーストリアの山歩きには持っていかなかった。
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Dハイキング地図がインターネットで見られるインタラクティブ・マップ
インターネットでスイスやオーストリアのアルプスの地図が見られます。日本のインターネット地図では山の中に入ると真っ白になってしまいますが、山中をドンドン拡大していくと等高線がはっきり現れ、ハイキングのトレイルも点線で示され、山小屋や山の名前や標高や氷河など、ハイキング地図と遜色ないものが見られます。見られる範囲が狭いのが難点ですが、日本でトレイルを調べるには十分の性能です。
・スイス
ホテルの場所などは、住所をインプットして調べられます。
幾つかあって、下記はその内の2つです。
Eスイスのパノラママップがインターネットで見られる
立体的に見える鳥瞰図やパノラマ写真を集めたサイトがあります。どんな地形か一目で判るメリットがあります。しかし、これだけを見ていると、距離や高度差や方角を間違える恐れがありますので気をつけてください。
F鉄道等の定期運行乗り物の時刻表
以下の2つのホームページでスイスとオーストリアの鉄道や定期運行の乗り物の時刻表を調べることができます。
乗車日と乗車区間とその出発時刻をインプットすれば最適な列車を選ぶことができます。また、鉄道ばかりでなくほとんどのバスや湖の定期船や登山鉄道等の時刻も分かります。更には乗車区間の運賃明細も分かりますし、出発地と目的地の位置を地図上で表示することができます。
乗車日が大分先の場合はダイアが変更になる場合がありますので、凡その検討に使い、1ヶ月前くらいにもう一度調べておくと確実な時刻表が得られると思います。
・スイス鉄道のホームページ
SBB(独英仏) 停車駅全表示は時刻表が出た後に Intermidiate をクリック
この時刻表には乗り換え駅と到着・発車時刻、プラットホームの番号や列車の種類などが載っていて、プリントして旅行に持って行くと大変便利です。
また、鉄道途中の停車駅の名前とその駅の時刻を全部表示することもできますので、プリントするならこの方がより便利です。例えば、乗換駅や降車駅が何という駅の次か、文字で判るので安心して列車に載っていられます。
実は、下りる駅が何駅の次ですと車掌や乗客に説明してもらっても、駅名の発音が聞き取れなかったり、駅名の読み方が判らないので確信が持てなかったりといったことが多くありました。
フランスのシャモニー駅もこのホームページで同じように時刻を調べることができます。
・オーストリア鉄道のホームページ
OBB Personenverkehr(英、独)
スイス鉄道のホームページと同じような使い方ができます。全ての停車駅は調べられないようですが、乗り換えの為の歩行時間を知ることができます。
列車やバスの接続時間に注意
鉄道の検索システムは大変便利ですが、列車やバスの接続時間が2分や3分の短時間でも、接続可能として全車線の時刻が表示されてきます。パッと見たときは気がつきにくいので、必ず接続時間が十分かチェックしてください。さもないと、駅を必死で走ることになりますし、最悪列車やバスが遅れれば、乗り遅れで予定が大幅に狂うことになります。経験者は語るです。 |
@判らないことは、インフォメーション・センターで聞くのが早道
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各地に必ずインフォメーション・センターがあります。あらかじめ、地図で場所を確認しておきましょう。
町に着いたら、まずその町の地図の入った案内と交通機関(リフトやバス)の時刻の入ったパンフレットを入手すると、その後の行動がスムースになります。 |
ユングフロウ地域の交通機関の案内と時刻表 のパンフレット |
参考に2005年夏のスイスの主な町のインフォメーション・センターが開いている時間を記載しておきま す。 |
・Grindelwald Mon-Sat |
8:00-12:00, 13:30-17:00 |
Sportz Centrumの中
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Sun |
9:00-12:00, 13:30-17:00
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*日本語案内所 |
9:00-12:00, 14:00-18:00 |
駅を下りた正面(大きな看板)
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・Murren Mon-Sat |
8:30-19:00 |
Alpine Sprots Centerの中 |
Sun |
8:30-17:00
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・Zermatt Mon-Sat |
8:30-18:00 |
Train Station Square
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Sun |
8:30-12:00 13:30-18:00
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*日本語案内所 |
9:00-12:00 14:00-19:00 |
町中央の教会の近く
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・Chamonix |
8:30-19:30 |
町の中央(Office de Tourrisme)
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日本語の案内は16:30-19:30 (日曜日は除く) |
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グリンデルヴァルドの日本語案内所は立派な看板がかかっているので、建物全部が案内所かと思って入ったら、右側の狭い空間だけで、順番待ちで並ぶのも苦労するほど。案内者も立って応対するという窮屈さでした。現地のインホメーション・センターはどうかと入ってみたら、これは立派な案内所でした。ミューレンもツェルマットもシャモニーも現地のものは綺麗な案内所です。ちょっと差が有りすぎると感じました。
ハイキングをするのに大いに気になるのが天気予報です。インフォメーション・センターに詳しく表示がしてあるかと思って行ってみたら、簡単な代物で、例えば、雲の上にお日さんが出て雲の下には雨が降っているというようなイラストでした。TVで山の天気を放映しているせいなのか、それとも山の天気予報は当てにならないせいなのか。
ニュージーランドやカナダのほうが当るか当らないかは別にしてはるかに親切な天気予報が書かれておりました。ツェルマットのインフォメーションセンター前の掲示板には、3日も前に出された週間天気予報が平気で張られていて驚きでした。
A地図やガイド本は本屋で探す
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ニュージーランドやカナダではインフォメーション(ビジター)・センターに行けば、必用な地図や本が何でも手に入ったが、アルプス地域のインフォメーション・センターでは殆ど置いてないように見えた。販売業務はしていないようだ。グリンデルヴァルトの日本語案内所にも地図はあまり置いてなく、Kiosk(駅の店ではなく町の中の何でも屋さん)に行くように言われた。
Kioskでも良いが、本屋のほうがよりほしい地図や図書が確実に手に入るように思う。
アルプスの花の本は本屋で買った。地図も多くは本屋で買いました。
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アルプスの花の本
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地図
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地図は、しっかりしたものをと、スイスでは地理院発行の1/25000公式地図を購入しました。確かに詳細な地図ですが、年寄りには少し細かすぎて、暗がりで見るのはお手上げ、日が射す強烈な太陽の下でも見るのに苦労しました。老眼鏡をかけてじっくり見る分には良いが、歩きながら読むにはちょっと骨が折れました。購入してないので分かりませんが、Kummerly+Frey社のハイキング・マップの大雑把なやつの方が年寄りには現実的かもしれません。
その点、イタリアのTabacco社の1/25000の地図は適度な文字の大きさで見やすかった。また、オーストリアはWegmarkierungの1/25000の地図もコンパス(Kompass)社の1/50000の地図も、字も色分けもはっきりしていて比較的分かり易かった。
基本的には通常の日本のハイキングと変わらない装備を準備して行きました。特に困ることは無かったと思います。
ただ、ツール・ド・モンブランでは必須と書いてあったので、ペアーのストック(2本の杖)を日本で買っていった(スイスで売っているのをみると料金は日本と同等か高めといった感じでした)。その時始めて両方の手にストックを持ったのですが、最初は邪魔な感じで役に立つのかいなと思いましたが慣れるに従い次第に身体のバランスをとるのに良いと実感できました。またツール・ド・モンブランのガイドが言うには、両手を絶えず動かしているので、手や肩のうっ血が無く、肩こりも起こりにくく、身体にも良いとのことでした。ただ、日本の山では、トレイルがブッシュで隠れているような所が結構多いので、2本のストックではかえって邪魔になるのかなーといった感じです。
氷河の上を歩くコースもあったので、軽登山靴の他に重登山靴も重いのを承知で持って行きましたが、今回歩いたコースであれば、無くても問題はなかったように思います。
ただ、サースフェーのブリタニアヒュッテからプラッティエンへ歩いた時に重登山靴を使いました。氷河の雪道とガレ場が多いトレイルでしたが、重登山靴のお陰で安定感のある山歩きができたと思います。確かにあったほうが便利ですが、航空手荷物の重量オーバー(20kg)を恐れて、行きも帰りも重登山靴を履いて飛行機に乗ることになり、軽快な移動という訳にはいきませんでした。
ヨーロッパの方は比較的軽装が多いのですが、靴だけは、しっかりした登山靴を履いているように見えました。小さい子供さんも沢山歩いておりましたが、これは例外無しに子供用の登山靴をきっちりと履いていましたし、登山道具のお店には子供用の登山靴がずらりと並んでいて、日本の中高年をメインに商売をしている店先とは大分違うなと感じました。
6本爪のアイゼンを持っていきましたが、幸い使う機会はありませんでした。どこを歩くかにもよりますが、持って行ったほうが、いざと言うときの安心にはなると思います。
ハイキングコースのポイントポイントに山小屋があり、麓のレストランとそんなに変わらない値段で、しかも結構うまいランチや軽食を食べられるアルプスでは、食料の準備にさほど神経を使う必要がありません。
しかし、天気が良ければ青空のもとでアルプスの花に囲まれて氷河と鋭い山を眺めながらピクニックランチを食べるのは最高の気分ですし、行動食や非常食も持たねばなりませんので、食料の準備はしっかりとしておく必要があります(ヨーロッパの方は結構空身で歩いておりましたが)。
先ずはスーパーでの食料調達ですが、大抵大きなビニールをぶら下げて歩いて来る人に出会いますので、その人が歩いてきた方向に行けば、どこの町でもスーパーの場所はすぐに見つかります。
パンはしっかりとした質感のあるものが良いと思います。今回外れはありませんでした。ヨーロッパのパンはおいしいということだと思います。チョコレートやクッキーやチーズは本場ですから癖のあるものを買わない限り問題なし。ドライフーズはあまり多くありませんでしたが、プルーンの干したものがおいしかった。果物はりんごとオレンジの味がもう一つでしたが、桃なのかネクタリンなのかわずかに産毛があるもので、果肉が硬めでしたが、皮をむかず丸ごと食べてもおいしさ抜群でした。
砂糖はスティックタイプのものが売られていたし、コーヒーもジブロックの袋タイプが売られていて、日本で買うのとさほど違わない感覚で買うことができました。少量を買うことができないカナダとは大違いでした。
水はミネラルウォーターを買って使った。山のホテルや山小屋では宿の水道水で問題無いようですが、手に入るのであればできるだけミネラルウォーターを買って使った。ただ、スイスではガス入りかガス無しかのラベル表示が最後まで解らず困った。買って帰ってペットボトルの蓋を開けた瞬間、プシューと音がすればハズレで、何度も苦い水を飲まねばなりませんでした。また店で
Without Gas と言って買うと何故か必ずガス入りのものを買わされた。With という言葉が入っているせいではと勝手に考え
No Gas と言うようにしてからは普通のミネラルウォーターが買えるようになった。偶然かどうかは分かりません。
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隣の国のオーストリアに入るとミネラルウォーターのガス入りとガス無しの表示がはっきり区別されています。ガス無しはOhne、ガス有りはMitとはっきりと表示してあります。これなら我々でも迷うことなく手に入れることができました。
[追記]読んで戴いた方から、ガス入りかどうかを見分ける簡単な方法があるとのお知らせを戴きました。
プラスチックの容器の硬さで分かるというもので、手にとって容器が柔らかければガス無しで、指で押してガッチリしていて凹まなければガス入りとのことです。日本で売っているものを確認してみたところ間違いありませんでした。再びスイスに行く機会があれば確認してきます。
Ohneの表示がしてあるオーストリアのミネラルウォーター |
ガス入りは苦い味がしますが、2回目のアルプスの時に、前の日の残りのガス入りミネラルウォーターを持って歩いたが、意外と美味しく飲めることが分かった。
かなり汗をかいて長時間歩いて、何度も水を飲むと、身体は水を要求しているのに、喉に水が入っていかない状態になっていきます。こんな時にガス入りの水だと、スイスイと喉を通って行き、スカーとします。一度試してみてください。
小川の水や湧き水は飲まないほうが良い。牛やヤギが何処にでもいて、彼らの糞尿で汚染されている恐れがあります。ガイドが付いていてお墨付きをもらった水源なら良いが、自分で判断するのは大冒険です。
*スイス
スイス全土で下記のような色分けされた標識にほぼ統一されています。
コースの難しさをあらわすTのグレードはスイス山岳会(SAC)により決められた尺度で、コース案内書等で良く使われております。T3までが通常特殊道具を必要としないコースです。
標識 |
コースの難しさ |
黄色の標識(一般的なコース)
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T1 |
一般的なコースで初心者でも歩ける |
矢印の先端に赤い線が入ったもの
(ややハードな中上級向けコース)
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T2 |
健脚コース、中級者向け |
T3 |
鎖やロープがあり、両手を使う場所がある。落下のリスクあり。上級者・経験者コース |
矢印の先端に青色の線が入ったもの
(アルピニスト向けのコース) |
T4 |
氷河歩きやクライミングを含む。特殊道具が必要 |
*アルパインの難易度としてT5、T6もあります
*オーストリア
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色々な標識があるようですが、
・チロル地方を歩いた時に、コースに番号が付いていて、標識と地図にその番号が標記してあり、非常に分かり易いシステムになっていました。
・標識に青丸、赤丸、黒丸の標記があり、青は初級(易しい)、赤は中級(やや難しい)、黒は上級(難しい)と区別されていました。どの程度の範囲で普及しているのかはわかりません。 |
赤丸の付いた標識 |
スイス国内の移動には主に鉄道を利用しました。時間に正確で車両も綺麗で揺れも少なく騒音も少ない感じです。1等の客車に乗っていないので比較はできないのですが、2等で十分と思いました。座席も自由席で通しましたが、7月にも関わらず座れないということもありませんでした。
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ハーフ・フェア・カードはスイスの中をあまり移動せず、ハイキングでゴンドラなどに沢山乗る旅行者にぴったりのカードです。1ヶ月間限定で鉄道・バス・ゴンドラなどの殆ど全てが半額になるカードで料金はCHF99です。パスポートを提示するだけで駅の窓口で直ぐ発行してくれます。スイスパスのようにフリーパスではないので、いちいち駅で切符を買う手間がいりますが、ゴンドラや登山鉄道の料金が半額になるのが魅力です。
フランスのシャモニー駅やオーストリアのインスブルック駅からスイスに入る切符を購入した時も、スイス国内分はちゃんとこのハーフ・フェア・カードが有効でした。
スイス在住者の為にもハーフ・フェアカードがあり、1年間などの長期間のパスが発行されておりますが、こちらは発行時に写真が必用のようです。
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ハーフ・フェア・カード
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<追記>2006年からスイス・パスも登山鉄道やゴンドラが半額になり、且つ各種博物館に無料で入れるようになったようです。旅程を検討する時に、スイス・パスにするかハーフ・フェア・カードにするか良く比較してみる必要があります。
オーストリアの鉄道
スイスと違うのは2等車でもコンパートメント(小部屋)形式の車両が多く繋がれています。コンパートメントでも、座席入り口に予約(Reserved)のカードが貼ってなければ自由席です。広いし静かで1等車の気分で乗れます。
アルプス界隈の鉄道を利用して最初ちょっと戸惑うのは
*改札口が無い
車内の検札でチェックされます。何度もチェックに来ますが新たに乗ってきたお客だけを チェックします。同じ列車に乗っていて2回チェックを受けたことはありませんでした。そ
の記憶力には脱帽です。
*発車合図のアナウンスが無い
静かに発車します。発車時刻に要注意です。日本に帰ると各種アナウンスがこれでもか これでもかと続き、やかましく親切よりも迷惑に感じられます。
*扉は自動で開かない
ハンドルの場合と押しボタンの場合があります。下りる人が他にもいる場合は問題あり ませんが、下りる人が他にいない時は慌てなくてもすむように、どうすればドアが開くか 停車前に扉を良く観察しておきましょう。
*乗り継ぎ列車の発車時刻と乗車プラットホーム
プラットホームや通路の何箇所かに、各時間帯ごとの発車時刻表示一覧表が目線
の高さに掲げてあります。
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左はスイスの場合で、各時間帯毎に発車時刻が一番左、その次にプラットホームの番線、その次に主な行き先が表示してあります。一覧表には一番電車から終電まで、発車時刻順にその駅から出る列車が全て載っています。方面別にはなっていません。
駅に着いたら、今何時か確認して、これから発車する時刻を順番に見ていくと、自分が乗りたい列車が分かるという仕組みです。 |
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*鉄道切符の自動発券機はどうやって使う
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出札口があれば、問題はないのですが(この場合でも乗り継ぎ駅や行き先は文字で書いて渡した方が間違いがない)、無人駅の自動発券機の場合はどうするか。
迷わず近くの人に聞くのが一番です。
しかし誰もいなかったら、
切符を買わずに乗車して、車内検札でどんなトラブルが待っているのか分からないので、一応購入方法を説明しておきます。
スイスもオーストリアも購入方法はほとんど一緒でした。 |
手順 ・先ず、画面をタッチ(場所はどこでも良い)
・言語を選択(英語もあります) ・駅名がアルファベット順に次々と出てくるので、行き先の駅名をクリック。また
は駅名をアルファベットでインプット
・往復か片道か、人数等を聞いてくるので順番に押す ・金額が表示される ・クレジットカードの場合は右上の所にカードを入れ、暗証番号(Pin ナンバー)を
インプットする。現金の場合は右上(画面に入っていない)の投入口に入 れる
・最後に購入、発券される |
イタリア・ドロミテを歩くのにバスに乗ろうと色々調べたが本数が少なく、限られた日数の中で行動するにはレンタカーを借りたほうが効率が良いと考え、サンモリッツ/カナッツェイー/コルティナダンペッツォー/インスブルック/リヒテンシュタイン/チューリッヒと、ドライブした。4カ国を通過したが、パスポートの提示を求められたのは、スイスからイタリアに入るときだけだった。
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サンモリッツで車を借りる時に渡された地図は、スイス全図の一枚の地図で、小さくて話にならない。多分必用だろうと、予めヨーロッパアルプス地域をカバーするThe
Alps という道路地図を購入しておいた。1/500,000の地図で、通常の道路では問題なかったが、町の中や高速の上り口が分からず2,3度必ず行きつ戻りつを繰り返し、時には道を聞いても言葉が通じず、手振り身振りのボディランゲージで何とか意思疎通をしてきた。
一番苦労したのが土地の名前で、ニュージーランドやカナダの英語圏でも苦労したが、スイスやイタリアではそれ以上だった。走る車からパット見ても頭にスペルが入ってこない。しかもドロミテでは同じ土地でもドイツ名とイタリア名があり道路標示が2重表記になっていて、更に頭が混乱した。私とMieの二人で交互に運転したが、ナビ性能がやや優秀な私が補助席につきMieが運転する割合が自然と多くなった。
一人旅でこの辺を始めて運転するのはちょっと大変すぎると思う。
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高速道路を除いて、道は全般に狭く、曲がり道が多く峠への上下はヘアピンカーブの連続で、しかもバスやトラックも走るし、皆、結構スピードを出して走るので、緊張しっぱなし状態が続いた。ところどころで昔の古い村を通りますが、まるで路地裏のような所が幹線道路になっていて、通り抜けができるのか心配になるほど。メラーノ(Merano)の町では、車一台がやっと通れる城門を2ヶ所くぐりました。
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ドロミテ・ポルドイ峠山頂駅(Sas De Pordoi)から見る
セッラ峠方向の自動車道路
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イタリア国境近くの
スイス・ムスタイヤーの町の中の道路
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高速道路も安心できない。インスブルックへ向かうイタリアとオーストリア国境のブレンナー(Brenner)峠を過ぎた逆方向の道は、何があったかは知らないが完全に車が止まっていて、延々と続き、皆、車の外に出ている状態でした。逆方向だけの渋滞でほんとに良かった。また、サンクトアントンを過ぎて長いトンネルを抜けると工事中なのか突然渋滞となった。我々の停まった場所に、たまたま旧道に逃げる道があり、事なきを得ほっとした。山歩きもそうだが、ドライブも余裕を持った計画をしておかないと大変なことになりかねないと改めて思った。
オーストリアでは2箇所の料金所があった。ブレンナー峠を過ぎて暫く行った所とサンクト・アントン近くの長いトンネルに入る前で、それぞれ8ユーロと8.5ユーロをとられた。ヨーロッパの道路はどこもタダと思うのは間違いのようです。身近に現金を用意しておきましょう。ここではクレジットカードも有効のようでした。
スイスは特に全般に宿は高めですので、安くてほどほどで便利な場所となると中々見つかりません。 オーストリアは全般に宿は安くて食事も美味しく割安感があります。
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山小屋は何処でも日本に比べると安くて綺麗で食事も良く、日程が許すなら、山小屋から次の山小屋へと何日間か連続して泊まる計画にすれば、朝夕の景色が眺められ、効率的でしかも経済的な山歩きが楽しめると感じました。
ガイド付きのツール・ド・モンブランは山小屋と小さなホテルが半々でしたが、結構宿泊も食事も楽しめました。 |
マッターホルン直下のヘルンリ・ヒュッテ |
着いてから宿を探すのでは、時間のロスが大きいと考え、山小屋を含めて全て日本からインターネットで予約を入れました。、グリンデルヴァルトとツェルマットは、1週間単位で借りられる割安なアパートにしました。ただ山小屋(ヒュッテ)にも泊まりたかったので、1日アパートに泊まる日数を減らすと料金はどうなるか尋ねると、かえって高くつくとの返事が返ってきました。そこでアパートとは別に、山小屋にも重複して予約するという日が2日でき、何とももったいないことになりました。
アパートは冷蔵庫も食事をつくる道具も揃っているので便利ですが、アパートのチェックイン・チェックアウトが土曜日に指定されている為、移動日が土曜になり、インフォメーション・センターもスーパーも店じまいが早く、一般の店は早々に閉まってしまい、通貨の交換もできず(クレジットカードで現金化するのは何時でもできる)何かと不便を感じました。
他は短期間の宿泊でしたので2つ星から3つ星のホテルで、トイレとシャワー付きを予約しました。行ってみたらバス付きにしてくれたところもありました。
ホテルでは、朝食付き、朝・晩2食付(Half Board), 朝・昼・晩3食付(Full
Board)などがセットになっていて、選択できる所が多くあります。安く泊まれるシステムですので、事前に確認しておくと良いと思います。
宿の予約の控えは必ず持って行きましょう
スイスのジナルの村で、予約した宿が予約日を前の日と取り違えていたため、満室で泊まれないトラブルになったことがあります。予約の控えを持っていたので宿が謝り別の宿を探してもらい事なきを得ました。
予約した部屋の条件が違ったり、料金が違ったりする場合もありますので、必ず予約の控えを持っていくことが重要で、トラブル回避に必用です。 |
今までは英語圏で下手な英語で苦労しながら何とか意思疎通を図ってきましたが、今回はドイツ語、ロマンシュ語、フランス語、イタリア語圏を回ることになり、正直どうなることかと心配でした。
山歩きのコースなどを色々調べていると、次々と土地や山の名前が出てきますが、読み方が判らない為、さっぱり頭に入らず、これでは地図も読めないなーと思い、ドイツ語くらいはと、NHKのドイツ語講座を聞き始めました。が、しかし、私の理解に関係なくドンドン先に進んでいって、その内何が何やら解らぬ状態になり、結局数冊のテキストだけが残りました。
まあ、英語は大抵通じるという話しだし、何とかなるだろうと元の木阿弥状態ででかけました。
確かに、ほとんどのところで英語が通じるし、母国語ではないので、少々発音や単語の並べ方が違っても、神経を使わなくてすみ、返って気楽な感じがしました。
ただ、ミューレンから峠を越えてシルトホルンの裏側のブンド・アルプというベルクハウス(宿を兼ねた牧場)に泊まった時には、英語が全く通じず、たまたま泊まっていた別のグループの女性ガイドが中に入ってくれたおかげで、意思疎通ができました(次の年にまた同じ宿に行ったら、おばさんが替わっていて英語が通じた)。ツール・ド・モンブランの宿も英語が通じにくく、もしガイド無しで来ていたら、やはりちょっとキツイだろうなーと感じました。また、アニヴィエの谷はフランス語圏になり、ドイツ語圏に比べると英語が通じにくいと感じました。
ドロミテで車を運転していて、道を聞いたときには、英語が通じないほうが多かったように思います。こんな場合でも、行きたいところの地名の入った地図を見せれば、ボディランゲージで大体のことは判りますので、数回これを繰り返せば目的地に着くことができました。 ある時、道を聞いたら、ネックスト・レッド・・・という返事、直ぐ次の信号と理解できました。
そうは言っても、その土地の言葉を少しでも話せれば、もっと楽しくなるナーというのが率直な感想です。
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