3日目 パカマヨ〜ウィナイ・ワイナ (Paqaymayu〜Winay Wayna) |
歩いた日:2007年6月15日 コース:Paqaymayu Camp→(1h35min)Runkurakay→(25min)2nd Pass→(15min)Sayaqmarka(35min遺跡説明)→(15min)Chaquiqocha(1h10min昼食)→(1h05min)3rd Pass→(5min)Phuyupatamarka→(1h50min)Winay Wayna Camp 合計時間:5h30min 歩行距離:15km 最高標高:3,950m 標高差:登り450m、下り1,250m |
3日目は最もインカトレイルの中で遺跡が多く、変化のあるコースだった。 朝7時15分に出発。晴れ。テント場を出て、小川の橋を渡るとすぐ急な登りになる。ただひたすら登る。右にルンカラカイ(Runkurakay、3,800m))の遺跡を見て更に登り振り替えると、この遺跡は特長ある半円の形をしている。何か異次元の世界を思わせる。背後には、今朝泊まったテント場が谷底に隠れ、昨日越えて来た4,200mの峠が見える。 |
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ルンカラカイの遺跡(3,800m) 後方は昨日越えて来た4,200mの峠 |
更に急坂を登ると今日の最高点・標高3,950mの峠・セカンド・パス(Second Pass)に着いた。サルカンタイ(Salkantay
6,300m)の山だろうか、真っ白な氷河の山が見える。 今日は皆元気で、そんなに遅れる人も無く峠に立った。 |
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セカンドパス(3,950m)の峠、白い山はサルカンタイ? |
峠から下り始めると、正面の山の急な尾根の中腹に小さく遺跡が見え出した。どんどん下り近づくにつれて遺跡はお城のように見えてくる。サヤマルカ(Sayaqmarka
3,600m)の遺跡だ。 一旦遺跡の下まで下りて、トレイルから離れて少し登り直し、サヤマルカ遺跡に入る。 |
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サヤマルカ遺跡(3,600m) |
入ってみると、三方が崖、正にお城のようだ。パーティーの全員が揃ったところで遺跡について色々とガイドが説明してくれた。だが良く分からない。ただ、「背後の急峻な山はインカ時代に氷河に覆われていて、聖なる山として崇められていた」、という説明だけが耳に入ってきた。遺跡から周りを見渡したときに、山の頂上付近の岩肌が滑らかでツルッとしていたので、もしかしたら氷河で削り取られた跡ではないかとかと思っていた。思った通りの説明だったので、こういう時には分からぬ英語でも理解できるようだ。 もし、今でも後の山が氷河で真っ白な山だったとしたら、この遺跡の価値は遥かに高いものだったように思う。 サヤマルカの遺跡を下り、右に小さなコンチャマルカ(Concha Marka)の遺跡を見て、少し行った所で昼食。昼食用にテントをわざわざ立ててくれて、その中で食べる。 |
サヤマルカ遺跡の入り口から見る | サヤマルカ遺跡と、氷河で覆われていたという後の山 |
昼食後は石畳の続く道を上ったり下ったりの繰り返しが続く。次第にコケが目に付くようになり、樹木も茂り石畳も水で濡れた所が多くなる。セカンド・パス(峠)を越えてから熱帯雨林の気候の中に入ったようで、霧がかかってきた。 途中、岩が裂けたようなトンネルを通る。インカ・トンネルと呼ばれており、中は下りの石段になってる。トンネルを掘ったにしては形がおかしいので、自然にできた穴ではないかと思う。 トンネルを過ぎたあたりから登りが続き、石の角が丸みを帯びたいかにも古い石畳が整然と続く。 |
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インカ・トンネル |
石畳は山の急な斜面を横切るように造られていて、谷側を覗くと垂直に石垣がしっかりと組み上げられていている。標高が約3,600mの所に、こんな道が延々と続く。 雨期には大量に雨が降るはずだが、雨でトレイルの土が流された跡が無いので、道の傾斜や排水がうまくできているに違いないと思う。 |
立派な石畳が続く |
石畳の登りを上りきると、サード・パス(Third Pass,3,670m)に出る。前方下にマチュピチュ山(Cerro Machu
Pichu, 3,050m)が見える。この山の裏側が目指すマチュピチュ遺跡があるはずだが、マチュピチュは標高2,400mだから、ここから1,300m近くも下ることになる。 2日後にはマチュピチュ山に登る計画だが、ここから見ると、はるか下に見える山なので登る価値があるようには見えない。 |
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サード・パスから見下ろすマチュピチュ山(手前) |
サード・パスを過ぎ少し下ると、プユパタマルカ(Phuyupatamarka 3,600m)の遺跡の中を通る。 |
この遺跡もなかなか大きい。今まで見てきたどの遺跡もそうだが、この遺跡も見晴らしが良く、近くに山のピークが見える。 | |
プユパタマルカ遺跡を囲む石畳の通路 | プユパタマルカ遺跡からマチュピチュ山を見下ろす |
この遺跡を過ぎてどんどん下る。下りは2つのルートに分かれていて、インティパタ(Intipata 2,850m)の遺跡を回る道と、ウィナイ・ワイナ(Winay
Wina)遺跡近くのテント場に直接下りる道がある。直接下る道をとったが、ここはインティパタの遺跡を回る道の方が緩い勾配で良かったようだ。 今日のキャンプ地は、常設のロッジがあり簡易レストランもある。皆、三々五々夕食前にレストランに出向き久しぶりのビールを飲む。 時間があったので、テントから下に見えるウルバンバの川と正面の山をスケッチする。ポーターが寄ってきてあれこれ批評してくれるが、スペイン語は全く駄目なのが残念。 今日は最後の夕食。ワインで乾杯。ペルーのリキュール・ピスコ・サワーも出され、食後にはコックが焼いてくれたケーキも出る。賑やかな夕食が続いたが、最後は、ポーターとの別れ。明日はマチュピチュ遺跡に入るが、彼等は朝、荷物を持って直接下山するので、今晩の内にお別れをするという。感謝の意をこめて皆で集めたチップを渡した。 |
コックが焼いてくれたケーキ(右手) | ポーターとの別れ |