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          ニュージーランドの

 ニュージーランドに行くまでは、鳥にあまり興味がなかったが、かってニュージーランドには動物といえば鳥しかいなかったというだけあって、ニュージーランドの鳥はなかなか面白い。有名なキューイ(Kiwi)やタカヘ(Takahe)を自然の中で見ることはなかったが、森や山や海岸を歩くと、ニュージーランドだけの愉快な鳥に出会える。
  鳥の写真は撮れなかったので、図鑑の写真をモデルにスケッチしてみた。正確ではないが、イメージを得る助けにはなると思い載せてみた。


(1)人の近くに寄ってくる鳥
  山を歩いていると、寄ってきて、しばし行動を共にする鳥がいる。

トムティット(Tomtit:シジュウカラの仲間)
 スズメより少し小さく(13cm)、もっと丸い形をしていて、胸が少し黄色で愛くるしい鳥。ブナの深い林などを歩いていると、直ぐ近くの木の枝を、くるりとした目でこちらを向きながら、ちょんちょんと渡りながら付いて来る。侵入者に対する好奇心からだそうで、寄ってくるのはオスだそうだ。

ロビン(Robin:こまどりの仲間) 
  トムティットより二回りほど大きく(18cm)、身体の割には足が長く見える。丸く膨らんだ感じで目がパッチリと可愛い。ブナの深い林を歩いていると、この鳥はちょこちょこと出てきて、足元まで近寄ってくる。良く見ると、登山靴で踏んだ足跡の土を突っついている。掘れた土から、ミミズなどを探して食べているようだ。Robinも賢い、ただでは人に近づかない。


 ファンテール(Fantail
  読んで字の如し。尾をファン(Fan)のように広げて飛ぶ。大きさは約16cm程度でツバメと同じくらいか少し小さい感じで、扇のように広げた尾は裏が真っ白の色をしている。
 雑木林のような所を歩いていると、突然現われ、見てくれと言わんばかりに、我々の周りを飛び回る。ヒラヒラと素早く細かい枝の間を潜り抜けて飛ぶ。この鳥の飛ぶ姿を見ていると、何となく幻想的な気分になる。
 この鳥も、ちゃんと目論見があるようだ。人が通ると、葉っぱなどに止まっていた虫が飛び立つ、これをひらひらと飛び素早く捕まえ食べるということらしい。ただ、ツガイなのか2羽で鳴きながら追いかけっこして飛んでいるのがほとんどだったから、本当に虫を取っていたかどうか、私には分からない。


キーア(Kea:オウムの仲間)
 森林限界近くか、それを超えた高山で良く会う。チャボくらいの大きな鳥(45cm前後)で、名前の如くキーアと鋭く大きく鳴く。高山に住む世界でただ一つのオウムとのことだ。羽の内側は綺麗なオレンジ色をしている。
 アーサーズ・パス(Arthers Pass)のアバランチェ・ピーク(Avalanche Peak)に登るスコッツ・トラック(Scotts Track)の痩せた岩尾根の上で、昼飯を食べようとザックからパンを取り出したとたん、パサットと羽の音がしたので振り向くと、手の届くすぐ横に、ツガイが来てこっちを向いている。かわいらしい姿をしており、野生とは思えないなれなれしさに驚く。暫く居て、何も貰えないと知ると、谷向こうの尾根に、あっという間に飛び去った。
 深い山に入ると、人がいると近づいてくるので、近くで見ることができる。いたずら好きで小物を持ち去ったり、穴を開けたりするそうなので、注意が必要。

 イエロー・クラウンド・パラキート(Yellow -Crowned Parakeet:インコ)
 スチュワード・アイランド(Stewart Island)のラキウラ・トラック(Rakiura Track) や テ・アナウ(Te Anau)のケプラー・トラック(Kepler Track)などを歩いているときに、飛んできた。綺麗な緑色をしている。頭が黄色いらしいが分からなかった。近寄ってはくれるが、ファンテールほどのフレンドリーな振る舞いはしてもらえない。スーと飛んで近寄ってきたかと思うと、そのまま飛び去ってしまう。濃い緑色のこの鳥を見ると、低い温度のニュージーランドにいることを忘れ、どこか南国にいるよう気分になる。

ライフルマン(Rifleman
 ニュージーランドで1番小さい鳥で、約8cm。他にも9〜10cm程度の小さい鳥がいるので、ライフルマンと確認するのが難しい。小枝をちょんちょんと飛び回り、じっとしていなかったように思う。スズメを小さくしたような感じだ。人に寄ってくるほどではないが、比較的近くで見ることができる。


(2)寄ってくるだけでは済まない鳥

オイスターキャッチャー(Oystercacher 
 古い映画で恐縮だが、ヒッチコックの「鳥」を思い出させる鳥がいる。50cmほどの結構大きい鳥で砂地の海岸で見る海鳥。長く太く真っ直ぐなオレンジ色のくちばしと、オレンジ色の太い足をしており、目は赤っぽいオレンジ色で、大股でとっとっとっと歩く姿は何とも滑稽。一度見たらこの鳥と直ぐ分かる個性の強い鳥だ。
 エーベル・タズマン・コースト・トラック(Abel Tasman Coast Track)の三日目、最後の小屋のワリワランギ・ハット(Whariwharangi Hut)に向ってアナタカパウ・ベイ(Anatakapau Bay)を歩いているときに、このオイスター・キャッチャー(Oyster Cacher)が直ぐ近くに走ってきた。今日はえらい近くまで寄ってくるなーと思った瞬間、キーキーキーと叫びながら舞い上がり、女房より先を歩いていた私に向かって、正面上空から飛びかかってきた。びっくりして手を頭にやったその上を、何度となく襲ってくる。ストックを振り回したが、一向に止めようとせず突撃を繰り返す。どうやら突っつくまではしそうもないと分かったので、走ってその場を逃げようやく収まった。多分雛がいる巣の近くを歩いたためと思うが、気の強い鳥だ。かわいらしく見えていた赤い目も、この時ばかりは怒りで充血した巨大怪鳥の目に見えた。


(3)メロディーを奏でる鳥と、でかい鳥、そして太古の風
貌を持った鳥
 色々と特徴のある鳥がいたが、特にこの3種類の鳥を挙げる。

ベルバード(Bellbird
 教会のベルの如く、メロディーを奏でるように長くさえずる鳥。山ろくの林や海辺の林など広い範囲で聞ける。
 但し、これがベルバードのさえずりだ、と確信を持つことが最後までできなかった。理由は2つ有って、1つは遠くで鳴くため、鳴いている時の鳥の姿が確認できなかったこと、もう1つは他の鳥の鳴き声の物まねをするとかでベルバードのものかどうか分からなかった為だ。
途中からベルバードかどうか、考えることを止めて、その鳴き声を楽しむことにした。
鳥そのものは確認できた。体長20cmほどでスラーとした体型で、色はくすんだ鶯色。鳴き声とはマッチしない少し鋭い怖い顔をしていた。


ニュージーランド・ピジョン(New Zealand Pigeon:鳩) 
 スチュワート・アイランド(Stewart Island)のラキウラ・トラック(Rakiura Track)でエントランス・ゲイト(Entrance Gate)をくぐり、リー・ベイ(Lee Bay)の林に覆われた海岸を歩き始めて直ぐ、前を歩くMieの手袋の上にボタッと大きな白いものが落ちてきた。「ウワッ」と言って大きな声で「鳥の糞」と女房が叫ぶ。上を見上げると、直ぐ上の枝に巨大な鳩が止まっている。50cm以上は軽くある。首回りと羽は緑と赤茶色で胸は白色、貫禄充分の姿をしている。ちょっとの間を置いて突然飛びあがった。この時の音がすごい。ギシギシとワサワサワサ―ンという大きな音を立てる。本当に持ちあがるのかと思うような羽のきしむ音だ。あっけにとられて見上げるばかりだった。手袋についた糞は不思議なことに、さほどの臭いもなく、小川で直ぐに綺麗に洗い落とせた。
 トレッキングから帰った次ぎの日の朝、B&Bの近くの木に止まっているニュージーランド・ピジョン(New Zealand Pigeon)を再度見ることができたが、それが最後で、他では見ることができなかった。 
 
 日本に帰り、日本の鳩も飛ぶときに羽根の音がするのか知りたくなった。鳩が飛び立つ時に耳を澄ますと、小さいが、キシキシと同じような音を立てている。ニュージーランドから遥か離れた所の、まるで違う大きさの鳥でも、やはり鳩は鳩、飛び立つときに同じ羽根の音を出す。何となく自然の不思議を感じ、ちょっと感動した。 


ツイ(Tui
 クイーンズタウン(Queenstown)の B&B の窓から、この鳥を始めて見た時、少しオーバーだが雰囲気が何となく始祖鳥のようで、太古の風貌をしているので驚いた。
 B&Bの窓際に植えられたマウンテン・フラックス( Mountain Flax :亜麻の一種)の実をつけたこの絵と同じような枝に、同じような格好で、この鳥がとまった。この実が好物らしい。
 大きさは約30cmくらで。尖った顔に、細く長い曲がったくちばしを持ち、首の周りにはひものような羽根がある。青と赤茶色の羽根は太陽の光でキラキラと反射し、少し異様な感じさえする。変った姿の鳥だが、その後2、3度見たので、それほど珍しい鳥ではなさそうだ。




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