ブランカ山群 (Cordillera Blanca)


ブランカ山群(Cordillera Blanca)はアンデス山脈の中心的な山で、ペルーの最高峰ワスカラン(Huascaran 6768m)を中心にして、6000m峰が居並ぶスケールの大きな山域です。

ブランカ山群に入るには、リマ(Lima)から北約400kmにあるワラス(Huaraz)の町が基点になる。ワラスへはリマからバス(約8時間)でも飛行機(1日1便、約1時間)でも行ける。
ワラスからブランカ山群のトレッキング・スタート地点へは、どのコースでも車で3〜4時程度で入ることができるが、幹線道路から一歩入ると、どの道も車道と呼べるような代物ではなく、日本の道路からは想像もできない悪路で、驚きの連続となることを覚悟しなければならない。
サンタ・クルス・トレック、
 アルパマヨ(右)とキタラフ{左)
(スケッチ)
ブランカ山群を歩くのに、今回はワラスのトレッキング会社にガイドを依頼した。
高所に慣れるためのデイ(日帰り)ハイクを2日間、ブランカ山群の中心を5泊6日で歩くトレッキング、それに最後の日にデイハイク1日を加えた。連日快晴で9日間連続の山歩きとなった。


 デイ(日帰り)ハイキング   @ ヤカ谷とラパルカ氷河
    
(Llaca Valley & Ranrapalca Glacier)
 A マカシカ・ヒル  
    (Macashca Hill)
 B ヤンガヌコ湖とラグーナ69   
    (Llanganuco Lakes & Laguna 69) 
 トレッキング  C サンタ・クルスとケブラーダ・ウルタ・トレック、5泊6日
 
   (Santa Cruz & Quebrada Ulta Trek)



ワラス(Huaraz)の町に着くまで

リマからワラス行きの15人乗り飛行機
小さなトンネルのようで中腰でないと歩けない
ワラスが近くなって
伊丹から成田まで1時間、待ち合わせ時間が6時間、成田からロスまでが9時間、待ち合わせが4時間、ロスからリマまで8時間 合計28時間かかってリマに夜中の12時過ぎに着いた。
リマからワラスへは当初、昼間のバスで行くつもりをしていたが、トレッキング・ガイド会社から昼のバスが5月には無い。夜行のバスに乗るか、または今年から定期運行が始まった15人乗りの飛行機に乗るか、どちらにするかと問い合わせがあった。迷った末に遠い日本から着いて、更に夜行バスでは老体が持たないと、飛行機にした。
5月30日にリマに着いてみたら、ワラス行きの昼間のバスは5月末から運行されていることが分かった。どうやら直前にならないとバスの運行開始やスケジュール変更が公表されないらしい。

わざわざ飛行機にする必要も無かったのに、と文句を言っても始まらない。朝7時前にリマの空港に着いた。、カウンターで搭乗手続きを始めようとしたが、「ワラスの空港がクローズになっている。今日のフライトが飛ぶかどうか分からない、11時迄にははっきりする。搭乗手続きをしておくか?」と聞いてくる。どうすりゃいいんだ!と言ってもどうにもならない。インフォメーションに行き、「昼のバスで行けるか」、と聞くと、「バス乗り場は空港から遠い。昼間のバスにはもう間に合わない。11時まで待って飛ばなければ夜行バスで行け」、と言う。

覚悟を決めた。搭乗手続きをして、マクドナルドなどのファスト・フードの店が並ぶ2階で待つことにした。ワラス行きの表示は出発時間が空白になっている。朝食を食べている間に本来の出発時刻の8時30分は過ぎた。お土産売り場を眺めて時間をつぶす。9時50分、それまでに何度も見た出発便の表示を眺めると、何とワラス行きがファイナルコールと書いてある。どうなってんだ、何で突然ファイナルコールの表示なんだ!セキュリティーを通らなければ!と大慌てで走る。搭乗券を見せたら、空港利用税のチケットが付いて無い、横の窓口で買え、と言われ、慌てて買いに走る。
やっとセキュリティー・チェックを終えて出発ゲートに走る。
何はともあれ飛んでくれる。ホッとした。

ゴム粘土のような耳栓が配られ、飛び立った。小さい飛行機の割には結構高いところを飛ぶ。リマのどんよりした曇り空が次第に綺麗に晴れだした。乾季のアンデスだ。窓から氷河の山が次々に見え出した。約1時間で小さな飛行場に無事着陸した。空港事務所の小さな小屋に入る。ここは標高3000mだ。
空港から見るペルーの最高峰ワスカラン( 6768m)
ワラスの空港に無事着いた
飛行機が遅れたせいかeメールで約束したガイド会社の出迎えの人が見つからない。なにやら近づいて話かけてくる男がいるが、タクシーか何かの客引きだろうと相手にせずインフォメーションのお姉さんに聞く。ガイド会社に電話をしてくれた結果は、「航空会社のバスに乗り、ワラスの航空会社の事務所まで行けば、そこで待っている」とのことだ。
もう何があっても驚かない。バス乗り場は?と聞こうとすると、先ほどの男がにっこり笑って横に立っている。航空会社のマイクロバスの運転手だった。

バスに乗ったがなかなか出発しない。乗ってきた飛行機が折り返してリマに飛び立った。先ほどのインフォメーションの女性が車に乗ってきた。空港事務所の男性も乗ってきた。どうやら空港は店じまいで、このバスは職員の送迎も兼ねているようだ。やっと車は走り出し、途中検問があってパスポートを見せ、約30分でワラスの航空会社の事務所に着いた。今度はガイド会社の責任者・エリがちゃんと待っていた。タクシーでホテルに送ってもらい、明日からの予定の確認をした。
日本からは遠かった。色々あった。だが、とにかく無事にワラスに着いた。山も綺麗だ。


ワラス(Huaraz)の町
ホテルから東方向
 
山はチュルプ
(Churup 5498m)
ホテルから北方向
中央の大きな山がワスカラン( Huascaran)、手前が南峰(6768m)で奥が北峰(6664m)
右の尖った山はチョピカルキ(Chopicalqui 6354m)
左端の山はワンドイ(Huandoy 6395m)
5泊6日のトレッキングのコースは、左端のワンドイの裏から入り、右回りにぐるっと回ってチョピカルキとワスカランの手前に出る
ワラスは人口は8万人だそうで結構大きな町です。町のどこからでも北側と東側に氷河の山が聳えて見える。
上の写真を見ると大分綺麗な町に見えますが、写真を撮るときの習性で、アラが見えないように撮ってしまったので私の実感とは大分違います。

町を歩いて直ぐに気がつくことは、
・工事中なのか、道路を掘り返してそのままになっている所があちこちにある。
・2階や3階が工事途中のまま放置してある建物がやたら目に付く。将来の増築の為だろうか
・どこのホテルも高い塀に囲われていて、入り口の扉は何時も鍵が掛かっている。インターホンで名前を言うと鍵を開けてくれる。外からはホテルだとは分からない。
・ワラスの町には民族衣装を着ている人が非常に多い。ペルーだなーと実感できる。
・じろじろ見られることはない。スペイン人や移民等の多民族国家のせいだろうか。物腰を見ていると、皆おとなしそうで人が良さそう。
・食べ物、飲み物、果物、衣類等の屋台の店が沢山ある。夕方から夜にかけてはかなりの人だかり。電灯も無く真っ暗な路地にも屋台が並び人が集まる。見えるのだろうか。
・乾季のせいだろう砂埃が凄い。
・昼も夜もウロウロしている犬がやたらに多い。
・ペルーの何処でもそうだが車は傍若無人に走る。一旦停止無し、センターライン無視、右折・左折の優先順位無し、歩行者優先無視、、などなど。町を歩く時はとにかく車に最大の注意が必用です。歩行者も赤信号で渡ります。ハイキングやトレッキングで、ワラスの町を車で出たり入ったりを何度も繰り返しましたが、この間に交通事故を1つも見ませんでした。のらりくらりと道を歩く犬も多かったのに轢かれた犬も見ませんでした。何故事故が無いのか不思議です。



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